2013年9月5日木曜日

角打ち

この所、出掛け先にあった酒屋さんの店頭で酒を飲む機会が多々ありました。
酒屋さんの店頭で立ち飲みする「角打ち」という言葉も、一般的になってきたようでですね。
元々「角打ち」は北九州方面の言葉らしく、秤り売り用の酒を、升を借りて縁に乗せた塩をアテに、その場で立ち呑みしていたものらしいのです。


北九州や関東でも酒屋のカウンターで立ち飲みをすることを「角打ち」と呼んでいるところが多いようですが、関西では酒屋で飲むのは「立ち呑み」、立ち飲み屋で飲むのは「立ち飲み」と、使い分けるようです。
最近流行の「角打ち屋」や「角打ちバー」は飲み屋であって、酒屋さんで飲むのが本当に正しい「角打ち」なのです。

先日撮影で出かけた鎌倉の酒屋さんでも、ハルコは正しく(?)塩をアテに升酒を呑んでいましたが、いや、楽しいものですね。何だか自分がちょっと堕落した人間になったような気分を味わえます。
何故かというと、小さい頃は住んでいた釜石には24時間稼働している製鉄所があり、高炉の火を落とさないために、工場は1日3交代で休み無く働いていたのです。
夜勤明けの工場の人達が、朝から酒屋さんの店頭で呑んでいるのを横目に見ながら、小学校へ登校していました。
そんな環境でしたが、酒を嗜まないオジさんからは、「大人になっても、“もっきり”を呑むような人にはなってはならん!」と、よく言われていたのです。
「もっきり」とは、関東の「角打ち」と同じような意味ですが、「酒を盛ったきり」が縮まって「もっきり」になったのだと思います。

先月仕事で盛岡へ行った時にも、酒屋さんで呑ませてくれる「細重酒店」で思い切り「もっきり」を堪能しました。
オジさんの忠告を守れずに、「もっきり」を嗜む人間になってしまいました。
オジさんごめんなさい……。

0 件のコメント:

コメントを投稿