2011年12月3日土曜日

ハルコ旅で考えたこと


旅は旅の最中にこそあり、思い出に浸っている場合ではありませんね(ぐだぐだ11回も書いてしまいました)。

旅の最中は色々な思いがあるのですが、帰ってきて段々色あせた絵葉書のようになってきますね。
旅の記憶で最後の残るのは“匂い”だと思います。
飛行機で、鉄道で、船で辿り着いた場所の“匂い(あるいは臭い)を最初に感じます。
その匂いに慣れた(あるいは慣れない)と思ったら、もう旅は終わりです。

先日文化会館で、関孝弘さんのピアノ・リサイタルを聴きにいった時に買った、関さんの『音楽用語事典』を読んでいて“フェルマータ(Fermata)”の項で記憶が蘇りました。
イタリアはフィレンツェを中心に、トスカーナ地方を高速バスで毎日移動していた時のことです。バスで目的地に向かいますが、バスの停留所は“Fermata”と表示してあるのですね。
最初はあぁ、イタリアのバスの停留所というのは、音楽記号の「停止」「休止」と一緒なんだと変に関心しました。

関孝弘さんは、「フェルマータ」「“動きや時間の流れを中断する”という意味がある」と仰ってます。旅も「日常」を一旦止めて、「非日常」にすることですね。
さらに、関孝弘さんは「Fermata」の示す「停止」は、あくまでも「一時停止」で、止まったあとに「再び動き出す」エネルギーを持っている、ということを語っておられます。
ハルコは果たして、次に動き出すエネルギーを旅で蓄積したでしょうか。
101回目に動き出します。

●感謝

3月11日の東日本大震災で、母親の生家のあった場所は津波で跡形もなくなってしまいました。先日、ハルコの一番年の近い従兄弟(実は名前の一字“晴”という字をもらっているのです)からリンゴが届きました。
その中でひとつだけ「感謝」とありました。
従兄弟も母親を津波でさらわれ亡くなりました(ハルコの伯母です)。
今年は「Fermata」の年で来年に向けて動き出すエネルギーになりたいものです。

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