2011年12月21日水曜日

調味料は進化しているのか?…3 ふりかけ文化


「ふりかけ」は調味料なのか総菜なのか微妙な問題ですが、最近は「食べる調味料(調味料+総菜)といったジャンルが確立していますね。
「ふりかけ」は大好きなのですが、そういえばふりかけとは何だろう? と、あらためて調べてみてビックリ!
「全国ふりかけ協会」という組織があるのですね。日本のふりかけ市場規模は約600億円だったそうです。ただ、このデータは10年前の話で現在は総合的な統計があるか不明です。
「全国ふりかけ協会」に参加しているメーカーは15社で、丸美屋、永谷園、三島食品などが加盟しています。
同協会の公式見解では、「ふりかけ」の元祖は大正初期に熊本の薬剤師の吉丸末吉という人物が、日本人にカルシウムが不足しているのを補うために、魚の骨を粉末にして「御飯の友」という名称で売り出したのが最初とされています。
しかし、「御飯の友」が出た時代には「ふりかけ」という言葉は無かったようで、「ふりかける」という動詞が「ふりかけ」という固有名詞に転化したのは1959年(昭和34年)と、そんなに昔ではないよいうですね。

ハルコが個人的に「ふりかけ」を認識したのは「丸美屋」「のりたま」と「すきやき」ですが、のりたまは1960年すきやきは1963年で、子どもの心をキャッチしたのでした。
毎日ごはんに「今日は“のりたま”、明日は“すきやき”、明後日は“のりたますきやき”」などといって頻繁に食卓にありました。今でもスーパやコンビニで見ると、ついつい懐かしさもあり買ってしまいます。

イタリア在住の友人夫婦に「イタリアにふりかけはあるの?」と尋ねてみると、カラスミを粉末状態にしてパスタに絡めるものはあるが、オリーブオイルで和えるので「ふりかけ」とは少し違うのでは、とのことでした。
近隣を調べて見ると、韓国には海苔等をベースにした日本のふりかけと類似した食品があります。これも、最近の流れのようです。
では中国はというと、中国人的には「ふりかけ」は貧しい食べ物で、総菜の無い食卓で食べられる「拌飯素」と言っているようでうすね。

ほぼ半世紀の「ふりかけ」の歴史ですが、これが調味料化していく過程を考察すると、今から約10年少し前、20世紀から21世紀になった2001年に、相次いで手作りふりかけを発想させるレシピ本が刊行されていました。
その中で手持ちの本を捜してみました。『これは便利調味料』(松本忠子/文化出版局)、『粉だしで極上シンプルだし宣言』(山本麗子/講談社)の2冊が目に入りました。お二人とも著名な料理研究家で、年齢も近いですね。
松本忠子先生は旨みを液体化して料理に使い、山本麗子さんは魚介を粉砕してそのまま、あるいは塩と混ぜての使用法を紹介しています。
まさに大正初期に吉丸末吉が考えた、旨みの出る魚介を粉砕して作った「御飯の友」の復活です。
これから、数年して「食べるラー油」などの「食べる調味料」への岐路になったと思いますが、付帯する仮説「エスニックブーム」の影響はまた明日に。

●百貨店の中のミシュラン
2012年最新の『ミシュランガイド(東京、横浜、湘南編)で、ひとつ星になったフランス料理店に「レ ロジェ エギュスキロール(Les rosiers Eguzkilore)があります。
バスク郷土料理からインスピレーションを得た「チョリソを纏った本日の魚と小イカとココ豆のクレーム」などをいただきました。
凄いのは、これが銀座三越店の中にあるということですね。
百貨店で初めての星付レストランですが、帝国ホテルやオークラで食事している雰囲気で、百貨店のホスピタリティ溢れたホールのサービス。銀座で買い物の後に、ゆっくりと落ち着いた場所で良いですよ。
今は無理ですが、暖かくなったらテラスでも食事が出来ます。

銀座三越東側12F
TEL:03-3561-7020


0 件のコメント:

コメントを投稿