2013年8月6日火曜日

つまらないものですが。

「田中部長、つまらないものですが」と、品物を差し出す。
「何、ワシにつまらないものを? ワシゃつまらないものなんぞ、いらん!」
いやいや、部長。ほんの気持ち、粗品でございます。
「粗品だって? そんなものはいらん! 持って帰りたまえ!」


実際にこんな会話があるかは謎ですが、最近は「つまらないものですが」と、モノを頂くことが少なくなったようですね。昔はずいぶん使用されていた言葉なのでした。
送る側が謙遜し、貰う側の負担を和らげる、というニュアンスがあったようですが、最近は「これは、絶対に美味しいよ!お勧めだよ!」的な形で頂くことが多いような気がします。
ハルコが思うにこの「つまらないものですが」は、絶対に国際化はしないでしょうね。

辞書を引くと、《動詞「つまる」の未然形+打消しの助動詞「ない」》
1. おもしろくない。興味をひかない。
「―ない映画」
2. とりあげる価値がない。大したものではない。
「―ないものですが、お収めください」
3. 意味がない。ばかげている。
「―ないうわさ話で時間をつぶす」
4. それだけのかいがない。ひきあわない。
「ここでやめたらそれこそ―ない」

昔の人は謙虚で、「本当につまらないもの”なんぞは贈らない」という矜持があったのでしょうね。

どうも日常の仕事で、「このモノは、いかに優れていて素晴らしいか」的なことばかり考えていると、「つまらないものですが」は新鮮に聞こえてくるのです。

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