2013年5月13日月曜日

鮨三谷の実験室

11日土曜日は、四谷「鮨三谷」に出かけました。今回で3度目ですが、この半年で3回通っているので、半年間の比較が出来ました。


一番最初に行った時は、鮨というよりも「変わった酒肴を出される店」という印象が強かったのですが、2月に2度目に行った時は色々と食べながら考えさせられました。
どこか、普通の鮨屋さん(三谷は予約が1年先、という予約困難店なのです)とは違う、と思っていたのが、3回目で氷解したのです。

当日は、先付け、酒肴、鮨、デザートまで入れて19品目。
三谷の真髄は前半の酒肴にあり、奄美大島の鯛の白子、ぼたん海老のみそと身、鳥貝の椀、千葉・きくらの蒸し鮑、鮪と唐墨、このわたと帆立、赤紫の2種類の雲丹ご飯、鮪と鰯……。
ひとつの素材を分解してエキスと本体を組み合わせたり、普通は組み合わせない鮪と唐墨や、鮪と鰯を合わせる、という離れ業を実行するのです。
それが、調理の奇をを衒うのではなく、基本を如何に深く掘り下げていくか、という学究膚なのです。
鮪ひとつにしても、食べる時に鮪の筋を大変な手間で除去し、口に入れた時にて抵抗無く食べられるように包丁を入れる、という普通の鮨屋さんではやらない方法をとっているのです。
目の前で、その鮪の筋取りの包丁さばきを見せていただいたのは、包丁好きハルコには眼福でした。

極めつけは、食材の持っているエッセンスの抽出方法を、あらゆる調理の可能性を駆使して、それこそ実験室さながらに試行錯誤しているのです。
三谷さん曰く「これを追求していくと、どんどん奥深い世界が現れて、こんな楽しいことはありません」とのこと。

次回は3ヶ月後の予約ですが、三谷さんがどんな実験成果を見せてくれるのか、楽しみが一つ増えました。

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