2012年6月26日火曜日

包丁と料理人


ご存知かもしれませんが、ハルコは包丁好きです。
仕事での取材や、客として料理店に行った時に、料理人さんに「どんな包丁をお使いですか?」と、よく聞きます。
場合によっては直に包丁を触らせてくださる方もおります。

ただ、料理のジャンルが違えば包丁への温度差も随分違いがあります。
和洋中で言うと、ダントツに和食(日本料理)の料理人さんが包丁への思いは強いようです。さらに、中でも鮨職人さんが一番包丁へのこだわりがあるようです。
確かに、和食は切る・煮る・炊く・焼くなど調理法の幅は広いですが、鮨は素材を切るという部分(他に下ごしらえやすし飯もありますが)と、握るという2つが重要で、包丁が冴えないと、すべて台無しです。

以前、銀座の「小笹寿し」寺嶋和平さんの元で、「ハルコ修行」をした時のことです。
その時は、まぐろをサク切りしてからヅケにして、ヅケ丼にするという内容でしたが、やはりハルコの目は包丁に吸い寄せられました。
通常刺身を引く包丁は柳刃や蛸引き包丁で、刃渡りも30cmを超すものが多いです。
しかし、和平さんの包丁は20cmにも満たないのです。おまけに柄の部分がへこんでいるのです。
和平さんにさらにお伺いすると、この包丁も元々30cm以上のいわゆる尺包丁で、長年使い込んで研いでいる内に10cmも短くなり、柄も2回取り替えたけれど、また柄の部分も握りの部分が摩耗してしまったとのことでした。
いやはや、職人魂ですね。
そこまで使われた包丁も幸せですが、その包丁を通して数多くのお客様が楽しく喜んで鮨を召し上がった、という長い時間を思いました。

それに引き換え、ハルコの包丁のすり減らなさは、まだまだ修行が足りないと思う次第ですね。
包丁と料理人の話はたくさんあるので、これからも随時書いて行きます。

0 件のコメント:

コメントを投稿