2013年1月30日水曜日

フランス料理の源流を訪ねて

「復刊ドットコム」というものがあり、絶版や廃刊になった図書をネットで投票方式で賛同者が復刊を推進する仕組みらしいのです。
復刊ドットコム http://www.fukkan.com/


その中で『フランス料理の源流を訪ねて・各地方の食材と料理という1冊がありました。
うん?この本は確か持っているはず。
大判のカラー写真が満載のきれいな本で、著者はベルギー生まれの写真家ロベール・フレソン、日本版監修は酒井一之さんです。
ノルマンディ、ブルターニュから始まり、ペリゴールで終わる食材と料理の旅は、現在ではこんな風景はもとより、料理写真の再現も不可能だと思われる労作なのです。
それは、監修の酒井さんが冒頭で
『フランスの家庭料理・地方料理について述べた本はそう多くはない。
まして、フランス人が毎日家庭で食べている料理を、
台所まで踏み込んで書き上げた本は、もつと少ないだろう。
大河も山奥の湧水が始まりであるように、
フランス料理の源流はまさに、地方料理・家庭料理にある。
それは、プロ中のプロが作った料理ではなく、
プロのためにアマチュアが作る料理である。』

と述べている通りなのです。
日本人のフランス料理シェフの中で酒井さんほど、フランスの家庭料理に精通している方をハルコは知りません。


ページをめくっていくと、まさにこの本は“フランス料理の食文化遺産”なのです。
ノルマンディのカルヴァドスを使った「若鶏の煮込み・ドージュ渓谷風」、ブルターニュの「オマールのポ・ト・フ・ブルターニュ風」、アンジュー・トゥールの「アルティショーのファルシ」、イル・ド・フランスの「うさぎのフリカッセ」、ソロニューの「蜂蜜パン」、アルザスの「蛙の足のリスーリングソース」、ブルゴーニュの「エスカルゴ」、リヨンの「オニオン・スープ」、プロバンスの「牛肉の赤ワイン煮込み」……。
あぁ、キリがありませんね。
こんな料理が100例入り、写真も375点入りです。

しかし、この本を実際に復刻するのは非常に難しいと思います。
まず、日本版の出版社は倒産して既にない。また、大元の海外著作者関係の権利を手繰らなくてはならない。
そして、大判の写真入りで精緻に作られており、現在同様の書籍に仕立てるには相当お金がかかるということです。その当時7,725円ですが、現在では1冊諸関係がクリアになっていたとして、初版300部で、1万5千~2万で採算が取れるか?
ネットで見たら、料理書で有名な神保町で、常に入荷待ちの状態で4万円の値付けとか。

ハルコ所有の本は監修の酒井さんからサイン入りでいただいたものです。
何とかなれば、お手伝いしたいものですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿