2012年11月6日火曜日

包丁4本

自分で「包丁○本」とタイトルにしましたが、当然包丁の数え方“本”でも“挺・丁(ちょう)”でもよくて、柄のある道具は”柄(へい)”とも呼びます。
同じような切る道具の「刀」の数え方は意外に多く、本・振り・口(ふりくち)・口(こう)・腰(腰)・刀(とう)・剣(けん)・匕(ひ)があります。匕は肉を切るための短剣や懐剣を表し、短剣を数える語です。

と、書くくらいに包丁と刀は非常に近い仲間ですね。
鮪包丁になると刃渡りが150cmになるくらいの物もあり、こうなると普通の刀よりも長いのです。
地域での違いはありますが、実際に和包丁と刀の各部分の呼称は相当重なっています。日本刀鍛造包丁と呼ばれる包丁は、軟鉄と鋼の鋼材の合わせ方が似ているのです。


写真はハルコがデザインして、四国の刀鍛冶さんに依頼して造ってもらった包丁です。峰の所をもう少し山にしたかったのですが、ちょっと違いますね。
波紋といい、これは日本刀とまったく同じですが、片刃の和包丁なのです。
片刃と書きましたが、皆さんはご存知ですよね。
刃が片方に付いていて、両方に刃が付いているのは「諸刃(もろは)」と言います。
「両刃(りょうば)」という言い方もありますが、本来両刃は剣や鋸のように両方の側に刃が付いているものを指します。

ともあれ戦国時代が終焉した時点で、刀鍛冶は包丁などの道具作りになり、さらに明治維新後に廃刀令が出て、民生用に転じたのですね。
毎年1月に「世田谷ボロ市」がありますが、昔はこのボロ市で素晴らしい鍛造の包丁が随分出ていたそうです(これは、魚柄仁之助さんから聞いた話です。魚柄さんは骨董商をしていたそうです)。
何故かというと、明治維新後に刀鍛冶が仕事を無くして、世田周辺に住みはじめて包丁作りをしていた名残りなのです。そのため、世田谷ボロ市では鍛造包丁が多く売られていたそうです。

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