2012年11月20日火曜日

職業としてのフードライター……2


出版関係の仕事に携わって、早30数年の月日が流れました。
昔、というと年寄りじみてきますが、雑誌文化の勃興期から仕事が出来たのは幸いだったと思います。
編集者とライターの区別は当然ありますが、現在でも一部新聞社系の出版社では、編集者のことを“記者”と呼んでいますね。雑誌編集者、雑誌記者微妙に違う様な違わないような……。

小さな出版社なら編集もライターも、はたまた写真も撮る、というようなケースもありますが、大手出版社は完全に分業化されています。
食の範囲も幅広いので、判りやすいレストラン取材を例に取ります。
まず、編集部(編集長)として何をどう取り上げるかが“検討”されます。媒体によって随分内容が違いますが、季節やテーマ(例えば祝いのレストランなど)に沿ってレストラン選びが始まります。
媒体の“クラス”により、選ぶ店は雰囲気や価格帯で違ってきます。夜のコースで5000円の店に、お一人様25000円の店は登場しません。
以前ならリサーチは大変でした。まず、その店を取り上げるために一度は覆面で食べに行くのですが、最近はそんな余裕はありませんね。まぁ、こんな店まで取り上げるの?(店の記事を読んで食べに行き、エラい目にあうこと)というケースも無きにしもあらず。

一度凄く変な仕事を引き受けた事があります。
フードライターさんとレストランに行き、エスコートするという内容です。
編集部と、ホテルの一流レストランでは客のどのようなわがままが効くかという内容で、レストランを予約する時からスタートします(かなり恥ずかしい!)。
エスコートする女性(二人のライターさん)には、一度も面識がありません。
まずレストランに、「○月○日の○時に予約したいのですが」
と、ここまでは普通ですね。
その後に「連れの女性に途中で花束を差し上げたいので、用意していただけますか」
ほら、もう相当恥ずかしいでしょう。
設定を考えると、どう考えてもオジさんが若い(?)女性にレストランで花束をプレゼントするというシチュエーション!
何か下心が無いと逆におかしいのですが、ハルコは電話で「えぇ、彼女の転職祝いですが」と言ったのです。
このエスコート役をハルコと編集長がするのですが、編集長のエスコートする相手は、こともあろうにフードライター界の重鎮森脇慶子さんだったのです!
風雲急を告げる怒濤の解決篇は明日に続くのだ!

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