そこで野崎さんは考えました。簡単にだしを取る方法があれば……。
急須に昆布と鰹節を入れて熱湯を注ぐと、温度が85℃くらいになり、丁度だしが良く取れるのです。
しかし、こんなモノは果たして作っても売れるのでしょうか?
貝印のタッキーさんに相談をし、企画を提出していただきました。
いやはや、後で話を聞くと大変だったようです。
やはり、こんなモノどうしたら売れるのか、絶対売れへん!と、いう意見が大半でした。
後年大阪の有力問屋さんを仕事で訪れた際に、営業の方がこの商品を売り込むのに大変な苦心をされてと聞いて、多くの方々の支えで売って来たんだと思いました。
そして4ヶ月かかってサンプルが完成し、「だしポット」と名付けました。
さて、サンプルは出来ましたが、どう見てもお茶を入れる急須です(困ったもんです)。
野崎さんと、このだしポットにサンプルの昆布と鰹節を付けようと話し合い、最終的に札幌の佐吉屋さんの昆布になりました。
価格設定が一番の難関で、ハルコ価格は1万2千円。皆さんは5千円くらい。最終的には8千円半ばで落ち着きましたが、こんな高いものを誰が買うのか、と非難されることしきり。
まだサンプルが1個しかない時に、野崎さんが雑誌『ミセス』で紹介し、そのまま通販ページに掲載されました。いやはや、本当に見切り発車です。
そのだしポットが、ミセスの通販で限定400個が売れ切れてしまいました。
ひょうたんから駒、いやだしポットからだし。
次にカタログハウスで掲載が決まり、分とく山(昔西麻布の)で撮影に立会い、取扱い説明書向けに「だし生活」レシピを書き上げて終了。
そして、3年におよぶ貝印のマーケティングプロジェクトへの置き土産で、こちらも終了しました。
ところが、この話にはまだ、続きが……。
(つづく)
●タンドリーインチキ

命名の「タンドリーインチキ」はオクサマが名付け親でございます。
今日も暑い1日。ビールで乾杯のハルコでした。
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