2014年1月7日火曜日

美味しさを伝える仕事

松の内まではお正月ですが、地域によってはこれから節分の前までの旧正月が本番ですね。新潟のダーチャに引き蘢りながら、自分の仕事を考えておりました。ハルコの場合は仕事がボーダレスなので、これは食や料理に限定した話です。
目の前の料理は、それを食べた人のみが体感出来る、非常に個人的なものです。
その体験を食べていない人と共有するためには、それを伝える方法が重要になります。


この10数年で増えたネットを通しての発信ですが、毎日毎日膨大な食の情報を見ていると凄い時代に生きているんだ、と思わずにはいられません。
写真を撮って、コメントを書いて、ネット上に投稿する、という行為が簡単にできることによって、誰でも料理評論家になれる時代です。
でも、それが旨かった、不味かった、サービスが良かった悪かった……と、数の集計によってランキングが出来、「最大公約数」の料理や店がもてはやされる反面、逆にマスコミ取材拒否の店が噂や口伝で語られるという世界もあります。

一時期ハルコも、その片棒を担ごうとしていた事もありましたが、現在は誰それの「美味しい情報」を聞いたり見たりしながら、楽しむ方に廻っております。
また、それとは別の「美味しさを伝える仕事」が、ハルコの本来の仕事となるのです。

食関連の商品開発は、最終的に購買してくださった消費者の方々がどういうシーンでそれを食べるか、ということを想定しながらレシピを作成したり、写真を撮ったり、コピーやデザインの力を活かしながら構成していくのです。
また、現在運営に関わっている伊勢丹のキッチンステージの様に、季節性やその時の行事内容などを加味しながらメニューを作り写真を撮ったりもします。
写真撮影はカメラマンの仕事ですが、「その美味しさをどのようにお客様に伝えるか」がハルコの重要な仕事になるのです。
本業の料理本の制作は、まさにこれらの集大成で、基本は「美味しさを伝える」ことにあります。

こんな仕事を、かれこれ40年近くも続けてまいりましたが、時代時代で「美味しさを伝える」イメージが変化しているのも感じています。
これに関しては、改めて一度書いてみたいと思っています。

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