2014年1月27日月曜日

鯨とハラール

ハルコが幼少のみぎりに、食卓に毎週1回はの肉が出ていました。
調理法は主に味噌焼きでしたが、筋張っていてあまり好きな食べ物ではなかった、という記憶があります。
長じて、鯨に関しては反捕鯨運動で捕獲制限されて、希少性ということから“珍味”として扱われ、口にする機会も随分減りましたが、たまに食べる時には小さい頃の食卓を思い出します。

さてその鯨ですが、先週、ムスリム(イスラム教)で「ハラール認証」を受けた、というニュースがありました。
最近ご存知の方も多くなりましたが、ハラールとはアラビア語で「許されたもの」を意味する言葉です。
イスラム神学者らでつくる認証機関が、食品の成分や製造工程を審査しており、認証を得るには、「豚肉やアルコールを含まない」など細かい規定を満たす必要があります。
その、イスラム教の戒律に沿った食べ物であることを証明する「ハラール認証」を取得したのが、日本の調査捕鯨船「日新丸」が、船内で行うクジラ肉の加工処理について、なのです。
これは、快挙といっていい出来事だと思います。


ハルコが長年知りたくて勉強しているジャンルに、「宗教と食のタブー」があります。
それぞれの宗教の戒律により、「これは、ダメ。これは、OK」という根拠が何であるのか?が知りたいのです。
ある民族から見れば普通の事が、他の民族の視点では異常に映る。この宗教や習慣の壁というのは超え難いもので、解決方法など無いと思っているのです。
相手に自己の文化を押し付けるのではなく、目障りでもよほどのこと(資源枯渇や環境破壊など)が無い限り、不干渉であって欲しいものです。
今回、ムスリムが鯨をハラールに認定したという事は、反捕鯨のキリスト教を敵に廻すということでもあるのですが……。
そんなことを思いつつ、「千年の対立ここに始まる」が序章の『アラブが見た十字軍』の再読をしています。

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