2014年10月28日火曜日

ホエイな問題

以前から一部で「水切りヨーグルト」というものが人気のようです。
ヨーグルトを濾布などに入れて、水分を切ってからヨーグルトを固めにして使用する調理法です。
水切りと言っていますが、この水が「ホエイ(ホエー)と呼ばれているものです。
生乳からチーズを製造する際には、チーズになるのが1割、残りがホエイになります。ホエイは日本語では「乳清」とも呼ばれています。


この「ホエイ」から乳脂肪分やカゼインを取り除き、蒸発させて粉状にすると、脱脂粉乳や生クリームの代替になります。
さらに、ホエイからリコッタチーズも作られるのです。
日本では以前は、このホエイは大量に廃棄されていたのですが、近頃は低脂肪で健康食品の元になったり、と注目されているのです。

さて、先週「バター高騰!」というブログを書きましたが、このホエイもTPPの成り行きで問題になっているのです。
現在日本で一番の生乳の生産地は北海道ですが、北海道では本州への生乳の流通を制限しています。その代わりにバター、チーズ、生クリームなど、加工製品を重点的に作っているわけです。
仮にTPPが締結され、安価な生乳やホエイが日本に流通されると、今まで暗黙の了解で北海道から流通していなかった、生乳やホエイが本州に来ます。
これによって、本州・四国・九州の酪農農家は連鎖的に打撃を受けるのです。
飼育資料の高騰、電気代等採算の取れる限度を超えてしまい、現在でも廃業している酪農家は多いですが、悪くすると壊滅してしまいます。

この数年で食用牛はブランド化が確立して、高価でも流通できるところも増えてきましたが、酪農生乳に関しては少量の流通ブランドを除くと心許ない状況です。
理想は六次産業化ですが、課題は多く前途多難です。

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