2016年1月22日金曜日

鮨屋の包丁




何か食べたいものはと聞かれると、
「鮨」と答えるくらい鮨は大好きなのです。
鮨の良いところは、目の前で握ってもらう他に
直に包丁さばきが拝見出来ることです。
阿佐ヶ谷の「なんば」へご案内いただき、
カンターの前のご主人難波さんの目の前に案内していただきました。

その日は舞鶴から来た見事なマグロでしたが、
難波さんの包丁使いを見ているとサウスポーなのですね。
数寄屋橋次郎も確かに左利きだったはずです。
マグロの塊を刺身包丁で切りとっていくのですが、通常は一度の引き切りを途中で、押し出すように刃を戻して引いているのです。
普段鮨やでは客の前で塊を切り取りはしませんが、当日は貸し切りのためか一種のパフォーマンスをされたのでしょうか?

帰る際に気になって、包丁を見させていただきました。
何と包丁の刃の部分が細かいギザギザになっているのです。
何度も刃の部分を触ってみましたが、よくこれで切れのかと思いました。
これでは、一気に引くと途中でひっかかり、戻す必要がありますね。
難波さんは、良い包丁欲しいのですが、と言ってましたが、難波さんの包丁は鋼でも相当硬い部類のもので研ぐのもかなり大変そうなものでした。

さて、色々考えてみました。
刃渡りの長い刺身包丁の刃は切れ味が重要だが、あえてギザギザの刃を使っているのか。

思い当たったのは、戦国時代に城から合戦に出かける時に、門のそばには砂が小山になつており、それぞれの武士は
砂山に刀を入れて、わざと刃に傷を付けるのです。
これは、闘う時に一度は切れるのですが、何度も切っている時に脂で切れ味が悪くなり刃が滑ってしまうのです。
鮨やも「大トロ」のような脂が多い素材はいくら切れる包丁でも、何度も脂を拭う必要があるのだと気が付きました。

洋包丁なら包丁と高炭素鋼でヤスリのように作られた”研ぎ棒”がありますが、これも、研ぐというよりは包丁の脂をとりギザギザにするためです。
昔はよく茶碗の底の高台の部分で包丁を研いでいた時代もありました。
単に切れれば良いというもんではないですね。
と、思うハルコでした。

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