2015年4月1日水曜日

落語と弥助

4月になりましたね。

新年度の始まりですが、先月は出張続きでブログも休み勝ちでした。
先週末から3日間で北陸新幹線の開通した金沢へ出かけてました。
東京から本当に近くなりましたね。
お弁当を食べながらビールを飲んでいると、もう長野です。”かがやき”で行くとこんな感じで”はくたか”でも良いかと思う次第です。



今回の金沢の最大の目的は「小松弥助」なのです。
金沢の料理研究家小川敦子さんより、以前から金沢で”弥助”はいかがですかと。
今回は”弥助”に予約を入れてもらってから金沢のスケジュールを組んだのです。
色々な情報を見ると、
「先代の久兵衛の主人が日本一の鮨職人」だと言ったとか。「東のすきやばし次郎、西の小松弥助」……。
非常に高い評価を得ていたのですが、ある出来事で店を畳まないといけない状態になりましたが、その腕を惜しんで、ある方が援助して現在の場所で「小松弥助」を再度開店したのだそうです。
場所は金沢片町のアパホテルの1階。この狭いビジネスホテルのロビーは、開店の11時半前からみなさんお待ちでした。
伝説の鮨職人、森田一夫さんは80過ぎの高齢とは思えないほどの、踊るように魚を切り、鮨を握る。
少しお造りをいただき、まず、一人前五貫を握ってもらう。
赤イカ、炙りトロ、甘エビ、煮はまぐり、梅貝、器に入ったお鮨、そして、うなキュウ。
食べていて、何で旨いのか検討がつかない。随分鮨は食べて来たはずですが、今まで、素材の良さや、下ごしらえの良さ、あるいは、握りの技術……と相当頭で理解していたと思う次第。
小松弥助の素材は飛び抜けて上物でもなく、まな板で包丁で叩いている時は素材がカウンターまで飛び散るしそんなに丁寧でもなく、しかし、なぜ、旨いのか判らない!
その時に頭を過ったのは落語家と一緒じゃないかと。
すきやばし次郎は昭和の大名人、桂文楽、そして、小松弥助は、古今亭志ん生。
端正で一言一句違わない文楽は「すきやばし次郎」で、噺は端折るし、どうなるか先がわからない、志ん生は「小松弥助」。
楷書と崩し文字との違いで、考えてはけない、その場を愉しみ受け入れることこそが唯一の対応の仕方。
もう一度、小松弥助に食べに行かねば。

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