2013年4月5日金曜日

さて、今頃ふぐの話とは……。


ふぐの唐揚げ。

4月に入り、爆弾低気圧やら目まぐるしい天気ですね。
冬が去ると共に、冬でしか味わえない料理もまた、シーズンを待ち選びますね。
その冬の代表といったら“ふぐ”でしょうか。
えっ、季節も変わって、もう出回っていないふぐの話とは何だ、って!?
ごもっともです。ふぐといえば冬場のもので、遅くとも3月まででしょうか。
実は、今日4月5日は1949年(昭和24年)に東京都が「ふぐ取扱事業等取締条例」を制定した日であり、これによって、ふぐを出す料理人は試験を受けるという免許制度になったのです。
これが現在まで繋がって、都道府県単位で(無い県もありますが)、ふぐ調理師制度の始まりになったのです。

しかし、ふぐほど特別な食材は他にありませんね。命をかけてまで食べるのですから。
まず、ふぐの猛毒“テトロドトキシン”は解毒が解明されていない恐ろしいものです。ふぐ中毒での死亡の大半は、素人が調理して起きる事故です。
しかし、古来よりふぐは食通に愛されている食材で、平安時代には“ふく(布久)と呼ばれていたのが、関東で“ふぐ”と濁ったそうな。

ふぐ食が一般化したのは江戸時代からですね。
ふぐは町人の食べ物で、武士は絶対食してはいけないものだったのです。
武士が万が一、ふぐの食中毒で急死したら家禄没収、家名断絶の厳しい処置を受けたのです。
俳人松尾芭蕉は元々武士階級でしたが、侍の時はふぐは口にせず、侍を止めて俳人になった後は、もうふぐグルメになったとか。

 ふく汁や 鯛もあるのに 無分別

なんて、ふぐの句もたくさん残されていますね。

東京でふぐを食べられるまで、後半年の辛抱です。

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