しかし、まだ「若鶏のフリカッセ」が終わりません。


先生「鶏肉を引き上げましたか。では、鍋の中身を煮詰めてくださいね」
ここで鍋を煮詰めてから、中身をザルで濾します。
いやはや、大変な作業ですね(ハルコ:こんな面倒なレシピにしなければよかった。肉じゃがくらいにしておけば、3回で食べられたのに!)。先生「ザルで中の野菜を押しつぶすように濾してくださいね。これをバターを使ってソースをつなぎ、さらに濃度をつけます。フランス語で“ブールマニエ”と言います」
元課長さんは酔いが醒めたのか、調理台に復帰です。タキガワ君は、元課長さんに鶏肉の骨を外して食べやすい大きさに切ってもらうことにしました。
そこに、権田原春助さんが戻ってきて、「すまねぇ。ちょい野暮用がコンコンチキで」と、言っていることはさっぱり判りませんが、ともかくタキガワ君と二人で鍋からザルで煮汁を濾しました。
この煮汁に、バターと小麦粉でとろみを付けるのですね。
タキガワ君は、その前に元課長と春助さんに、付け合わせの小タマネギとシャンピニオンをブイヨンで煮て合わせる作業をお願いしました。
おっと、ぎっくり腰の元支店長も戻ってきて、「ワシがブールマニエをする」と、言って鍋の中をかき混ぜ始めました。
タキガワ君はそばから生クリームを加えて、鶏肉を鍋に戻します。
先生「今回は古典的で伝統的な“リエ”でソースをつなぎましたが、
バターや小麦粉だと重くなりますね」
これが段々軽くなり、バターからオリーブオイルや、さらに小麦粉の代わりに野菜やキノコをピューレ状にして自然なとろみにしたりと、ヌーベルキュイジーヌの頃から変化してきたそうです。究極は水自体がソースという考え方ですが、やはりしっかり作ったソースの料理は好きだな、とタキガワ君は思うのでした。
何とか「若鶏のフリカッセ」が出来上がり、楽しい試食の時間です。あれほどいがみ合っていた4人ですが、やはり自分達で作った料理は美味しいものです。タキガワ君もリーダーとしての面目躍如ですね。
……その時に窓の外に怪しい人影が……。
「これは、あのマサ……」
そのうちにタキガワ君と料理教室荒らしのマサの対決が!
※くどいようですが、タキガワ君はものすごく特定の個人に酷似してますが、あくまでフィクションですからね。
尚、今回のレシピはハルコの修行でお世話になった、かつての名店「プティポワン」の北岡尚信料理長の「若鶏のフリカッセ・白シチュー」です。
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