昔、京の嵯峨に”能説法”という弁舌巧みな説教師がいて、
その隣に酒屋を営む金持ちの尼がおったそうな。
この尼公も仏事を行うことがあり、能説法に道士を頼んだそうな。
この話を聞いた近所の人が
「この尼の売る酒には水を入れて売っているので、味が薄いので、
”酒に水を入れて売る”のは罪であると皆に説法する際にお話ください」と。
説法師が仏事が終わったあとに、尼公が大きな桶に酒をなみなみ入れてふるまったとな。
皆の衆は説法のあとなので、さぞや旨い酒が呑めると思ったそうな。
最初に呑んだ説法師があっと叫んで、
「いつもの酒は水臭い酒なのに、今日のは酒くさい水だ!」
これを聞いた尼公は平然と
「さも候うらん。
酒に水入るるは罪と仰せられ候いつのる間、
是は水に酒を入れて候」と答えたという。
これは、中世の時代の隠遁僧”無住”の『紗石集』に出てくる内容。
(『信心の世界、遁世者の心』大隅和雄著から意訳引用)
この行(くだり)を読んでいてなぜか
「チューハイの原価率」という言葉が頭を過りました。
居酒屋さんでチューハイは定番ですが、店によって多少違いますが、
1杯あたりの原価率は数十円で、10~15%なのだそうです。
ちなみに原価率が一番高いのはビールで30%!
まぁ、ビールクズのハルコとしてはビールは当然ですが。
居酒屋さんでソフトドリンクを頼むあなたは、
お酒を呑む客よりもお店に貢献しているのですぞ。
さて、今晩のチューハイは
「水臭いチューハイか、チューハイ臭い水か」
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