2015年8月24日月曜日
夏の蕎麦屋
思えば今年は夏休みらしい、休みは取ってなかったのです。
7月末から8月にかけて京都で、5日間の撮影をした後に、すごく忙しいわけでもないのですが、ダラダラと過ごしていたのです。
そんな、日曜日に少し休みらしい休みを、と、思い
上野の国立西洋美術館のチケットがあるので、出かけたのです。
「ボルドー展」という、ドラクロアの絵が目玉の展覧会ですが、西洋美術館でやるような内容じゃなかったですね。
その前に、腹ごしらえで、上野の池之端の薮蕎麦へ行ったのですが、ちょい、20分ほど並んだのですが、入口の脇にある室外機の熱風がたまりません。
上野に来ると薮で蕎麦を手繰ることが多いのですが、”天抜き”を食べたさで行くのですが、外の暑さと入口の熱風に負けて、どうしようかと悩むハルコなのです。
まず、ビールをぐびっと飲んで、心を落ち着かせて、改めて考えるとやはり暑いが、”天抜き”は捨て難い。
意を決して”天抜き”を頼み熱々の丼の蓋を取ると、湯気がもわっと上がり、また、暑さが蘇ります。
汁を一口飲んで、衣を一口食べて、ビールをぐびっと、いつもある鴨焼きが献立から消えていて、酒の肴には物足りないなぁ。
ぬる燗を1本頼んでのですが、これが、まぁ、熱燗!
猪口に酒を注ぎ、”天抜き”の小海老をつまみに、ぐびっと、まぁ、段々休みらしい感じ……。
後から来た隣の卓の客が「巣篭もり蕎麦」と、注文するが、この所献立で見たことがない。残念だったねお兄さん。
額に汗をかきながら、”天抜き”を終えて、やはり、ザル1枚(薮のザルは、盛りで、一般の蕎麦屋さんのザルは、海苔かけという)。
ちょっと、食べ足りないが、後で何か食べよう。
最前の美術館を出たら、雨がポツポッ、傘をさすほどじゃないが、蒸し暑い。
冷たいクリームソーダを求めて、彷徨うが、気が付いたら、鈴本演芸場の中入り後の高座をペットボトルのお茶を飲んでいた。
なんとも、ゆるい夏休みの1日でした。
2015年8月14日金曜日
8月15日のすいとん
毎年8月15日になると思い出す味があります。
8月15日、終戦記念日(敗戦が正しいと思ってますが)と言えば、
「すいとん」なのです。
子どもの頃は、毎年8月15日にはすいとんを必ず食べさせられていたのです。
このすいとんが、本当にだしの味も無く小麦粉を練って入れただけのもので、何でこんな不味いものを食べさせられるのかと、苦痛な1日でした。
すいとんは「水団」とも言い、ひっつみ、はつと、とってなげ、なんて名前で室町時代から庶民の間で食されていたのですね。
それが戦時中には米の代用食として、薄い味の汁に薄いすいとんを入れて、増量出来る素材を加えて食べていたんですね。
その戦時中の苦しい時代を子どもに伝えるために、田舎のわが家では8月15日は「すいとんの日」だったのです。
母はもう43年も前に亡くなり父も昨年末に他界しましたが、父母とも昭和20年は二十歳で、父は福島から満州蒙古青年開拓団で大陸に渡り、満鉄で機関士を目指していまいしたが、現地徴用で兵隊さんへ。
そして、引き上げ船で帰国。
母は戦時下、岩手県の釜石(鵜住居村)で日本が初めて艦砲射撃を受けた時(製鉄所に)に、砲撃の激しい音と振動の中で震えていたそうです。
年代的に戦争の話は廻りに体験者が多く、身近な世界でしたが、その語り部も少なくなりました。
しかし、未だにすいとんは嫌いなハルコです。
※写真は戦後まもなく、釜石を訪れたアメリカの進駐軍を慰労する会で舞台での記念撮影。
しかし、母親(前列左)が何をしたかは聞けませんでした。
2015年8月13日木曜日
ハルコ、京都でイタリアン
この所ブログをさぼっており、一部の方からハルコは大丈夫か?と、
問い合わせがありました。
元気でやっております,ご安心を!
先日、京都で撮影のために5日ほど滞在して、仕事のはねた後は京都の旨いもん屋さんを訪ねておりました。
一時期は、京都で食べるなら「京料理」と決めて連日名だたる料理屋さんへ出かけてましたが、最近はジャンルの違う店の行くようになりました。
やはり、京都は楽しいですね。(出来るなら東京と京都を半分ずつ住みたいくらい)
その中で、京都の最強グルメ案内人の関谷江里さんに誘われて、イタリンレストランへ出かけたのです。
何でも、今の京都はイタリアンの店が多く出来て、和食・日本料理店よりも多いそうです。
レストランの名前は「Cenci(チェンチ)」でオーナシェフは、イル・ギョットーネ京都店で
15年間腕を振るっていた坂本健さん。
ハルコが普段好きなイタリアンは、質実剛健な料理ですが、”チェンチ」は食べ進んで行くうちに、あれ、和食を食べてんの?と思う様な料理の連続でした。
鮎の春巻き、とうもろこしのソース、鮎の骨せんべい、トロフィエ、
じゃがいも、あわびソース、黒トリュフ
賀茂茄子とうに、伏見とうがらし。ケッパーの素揚げ、仔羊のステーキ夏野菜添え、
新生姜、あさり、うに、山椒のパスタ
特に、賀茂茄子とうに、伏見とうがらし。ケッパーの素揚げは、仕上げに卓上で「中勢以」の熟成肉と、岩手の「石黒農場」のほろほろ鳥で作ったコンソメをかけたもので、プレゼンテーションも楽しく美味しい。
東京の料理は、エッジがはっきりしていて、ある意味で明確に判りやすと思うのですが、京都の料理は和洋に限らずに、境界線が曖昧で、良くいうと融和、別ないいかたをすると、食材も調理法も既存のかたちにこだわらず、どん欲な
味の追求をしている。東京のストレートなロジック性を一段違う視点で外すという高度なテクニックがありますね。
それにしても、京都人は本当に洋物好きだと今回は確信しました。
また、京都に行こう!
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