2012年8月22日水曜日

加賀乙彦 『雲の都』

たまにはハルコも文学について書こうと思います(えっ、似合わないからやめろ? 余計なお世話です)。


加賀乙彦さんのライフワーク『雲の都』が完結しました。
自伝的小説『永遠の都』(新潮文庫全7巻)の続編として『雲の都』を書き続けられて27年。本当に膨大な量の自伝的小説です。
『雲の都』が4120枚、『永遠の都』が4854枚。まさにギネス物の大長編小説です。

なぜこの小説を取り上げたかというと、ハルコが編集長を務めている三越の最上級顧客情報誌『お帳場通信』で、加賀さんの対談をしたからなのです。
元々『お帳場通信』誌上では、早稲田大学名誉教授武田勝彦先生が三越や伊勢丹が小説に登場する個所を解説する連載をしておりました。
夏目漱石など沢山の文豪が出てくる面白い連載です。
そこで何回か加賀乙彦さんの『永遠の都』の回を連載し、最後に加賀乙彦さんとの対談をすることにしたのです。

そこからが大変!
なにせハルコが司会をするのですが、小説を読んだ事がありません。『永遠の都』と『雲の都』11冊を1ヶ月で読破する暴挙になりました。
あぁ、本当に義務で読む本は辛いですね。
各巻で文体が変わるのですが、まるまる1冊一人称の日記形式があったりと構成自体が波乱に富んでいるのです。
最初の1冊目は中々読み進めなかったのですが、2冊目からは推理小説的な展開にもなり、グングン読み進めて『雲の都』まで行きました。
東京を俯瞰しながら明治、大正、昭和と、時代が目まぐるしく変わる都市の歴史でもあるのです。

その最新刊にして最終巻が2冊同時に刊行されました。
今度は義務ではなく楽しみとして、これからゆっくり読みたいと思います。
(写真は手前右から加賀さん、武田先生に後列はハルコと三越の方々です)

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