酒屋さんの店頭で立ち飲みする「角打ち」という言葉も、一般的になってきたようでですね。
元々「角打ち」は北九州方面の言葉らしく、秤り売り用の酒を、升を借りて縁に乗せた塩をアテに、その場で立ち呑みしていたものらしいのです。

北九州や関東でも酒屋のカウンターで立ち飲みをすることを「角打ち」と呼んでいるところが多いようですが、関西では酒屋で飲むのは「立ち呑み」、立ち飲み屋で飲むのは「立ち飲み」と、使い分けるようです。
最近流行の「角打ち屋」や「角打ちバー」は飲み屋であって、酒屋さんで飲むのが本当に正しい「角打ち」なのです。

何故かというと、小さい頃は住んでいた釜石には24時間稼働している製鉄所があり、高炉の火を落とさないために、工場は1日3交代で休み無く働いていたのです。
夜勤明けの工場の人達が、朝から酒屋さんの店頭で呑んでいるのを横目に見ながら、小学校へ登校していました。
そんな環境でしたが、酒を嗜まないオジさんからは、「大人になっても、“もっきり”を呑むような人にはなってはならん!」と、よく言われていたのです。
「もっきり」とは、関東の「角打ち」と同じような意味ですが、「酒を盛ったきり」が縮まって「もっきり」になったのだと思います。
先月仕事で盛岡へ行った時にも、酒屋さんで呑ませてくれる「細重酒店」で思い切り「もっきり」を堪能しました。
オジさんの忠告を守れずに、「もっきり」を嗜む人間になってしまいました。
オジさんごめんなさい……。
0 件のコメント:
コメントを投稿