今から40年前の暑い日でした。
上京した初めての夏休みだったのに、帰らないと言って母を悲しませていたようです。
朝に下宿先に電話をもらい、まだ東北新幹線の無い時代で、10時間くらいかかる列車に、夏休みゆえに席が取れずに立って帰りました。
まだ携帯も無い時代で、自宅に辿り着くまで母の死を知らなかったのです。
母は突然病気で手術中に亡くなり、家の中は普段のままでした。
母がいないことを除けば。
夜に6歳下の妹と、冷蔵庫に入っていた母が最後に作ったポテサラを二人で泣きながら分けて食べました。
もう二度と味わうことのない母の味を。

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