2012年11月9日金曜日

職業としての料理研究家……その1

この所曜日感覚が無くなっています。
12月1日に発刊する健康系の雑誌の創刊で追われてます。若い時は雑誌の仕事も楽しいですが、歳と共に雑誌の仕事はつらい物がありますね。
単行本などの書籍と違い、雑誌は取り次ぎ搬入発売日を厳守しないと“事故”になってしまいます。


さて、昨日はその雑誌の撮影で立会をして、料理研究家の奥園壽子さんと初めてお会いしました。今まで奥園さんとは間接的には仕事をしていたのですが、それも奥園さんがタレント化して、ホリプロ所属になる前です。
撮影をしながらふと考えたのは、「職業としての料理研究家」とは何か、ということです。
これが「料理研究家の仕事」ならば、内容は料理教室で教えたり、料理のレシピ本を出したり、講演会をしたり、企業の商品開発やらコーディネートなどがありますが、「職業としての料理研究家」ってなんだろう?と考えたのです。

普段からプロの料理人以外に、料理研究家、フードコーディネーター、フードスタイリスト、テーブルコーディネーター、○○料理研究家……という肩書きの方達とお付き合いもあり、数えたことはないのですが、相当数の方達と知り合い、随分一緒にお仕事もしております。
失礼を顧みずに言うと、パーティなどで石を投げると料理研究家の方達に当たります。
考えると不思議です。なにせ、“料理を研究する”のです。広義で捉えると、料理を研究するのであれば、ハルコも料理研究家ということになります。
でも、世間一般での料理研究家というのは、それとは別なイメージですね。
しばし、来週から料理研究家について考えてみます。
本日は予告編です。

2012年11月8日木曜日

包丁いっぱい

今日11月8日は岐阜県関市の包丁供養“いい刃”の日です。今日で包丁のお話は一旦お休みです。

現在ハルコ所有の包丁は、自宅、事務所、新潟のダーチャの3カ所にあります。以前も書きましたが、実は何本あるか判りません。
自宅のキッチンの一番上の引き出しには、ペティナイフだけでも10本近くあります。大きさや用途(少し波刃)で違いはありますが、最初に手に触れたものを使います。
その他に、各種の包丁のうち使用頻度の高い包丁は、流し台の扉の包丁挿しに10本ほどあります。

さて、そこから先が不明です。
昔買ったフランス製の包丁セットが専用のケースに入っていたり、京都の木屋で買ったハルコの名が刻まれている包丁は、使用した後は箱の中にしまい込んでます。
さらに使用頻度の少ない出刃包丁、柳刃包丁は、箱や新聞紙にくるんで何処かに分散しています。数えるには全部探し出さないと無理ですね。
新潟のダーチャには自宅ほどはなく、使用する分の包丁が10本程度でしょうか。

家庭で普段使いの包丁は、まず万能包丁三徳包丁と言われる、野菜、肉、魚など、何でも切ることの出来る包丁(180mm)が1本と、小型のペティナイフが1本あれば、たいていの料理には取りあえず間に合います。

ここからさらに包丁を増やしていくのであれば、冷凍食品やパンを切る波刃の包丁は必需品です。
余裕があれば、野菜専用の菜切り包丁、肉を切るために長めの牛刀(シェフズナイフ)、魚をおろす出刃包丁、刺身を引く柳刃(刺身包丁)まであれば、大概の物は切ることができます。
あと重要なのは、刺身や魚をおろすのには、諸刃(両刃)ではなく片刃がお勧めということですね。素材はさび易い鋼ではなく、ステンレス製で充分です。
これに、砥石の中砥と仕上砥を持てばパーフェクトですね。

2012年11月7日水曜日

包丁5本


雑誌のハルコ連載などの取材で、多くの料理人の方々の包丁を拝見させていただきました。
また食事に行った際も、料理人さんから包丁の話を聞きながら、包丁を見せていただきます。場合によっては包丁を握るのを許してくださる奇特な方もおります。

これは、おおよそ100名近くの料理人さんから見聞きした、包丁への思い入れ度の比較感想です。
関心度が強いジャンルから見ると、ダントツの1位は鮨やさん。次に和食・日本料理に、3位はフレンチ、4位は中国料理で、最下位はイタリアンです(ハルコの感想です)。
中には、現在フレンチだけど日本料理からイタリアンへ行き、フレンチになった料理人がおり、牛肉の塊を和包丁で引く方もおりますが、これは例外ですね。

やはり魚介、特にお造りを扱う料理人は包丁への思いが強いですが、鮨職人さんには負けますね。
「はしぐち」の橋口さんから聞いた話は、店が終了後に毎晩包丁を研ぐのですが、研ぎ過ぎて、刃先が小さく(カンナの削りを想像してください)“返し”になって手を切ることがあるそうです。
また、銀座の「小笹寿し」の寺嶋さんは、柳刃包丁を長年研いで研いで、使う半分の長さになっても使い続けて、柄は3度も細くなり替えたというのも聞きました。
お客さんから預かった鋼の包丁を、研ぎ直して上げたのを見せていただいた事があります。こんな話が山ほどありますが、またの機会に。
(つづく)

写真はハルコの包丁指南本で、台湾でも中国語でも出版されたのです(少し自慢!)。

2012年11月6日火曜日

包丁4本

自分で「包丁○本」とタイトルにしましたが、当然包丁の数え方“本”でも“挺・丁(ちょう)”でもよくて、柄のある道具は”柄(へい)”とも呼びます。
同じような切る道具の「刀」の数え方は意外に多く、本・振り・口(ふりくち)・口(こう)・腰(腰)・刀(とう)・剣(けん)・匕(ひ)があります。匕は肉を切るための短剣や懐剣を表し、短剣を数える語です。

と、書くくらいに包丁と刀は非常に近い仲間ですね。
鮪包丁になると刃渡りが150cmになるくらいの物もあり、こうなると普通の刀よりも長いのです。
地域での違いはありますが、実際に和包丁と刀の各部分の呼称は相当重なっています。日本刀鍛造包丁と呼ばれる包丁は、軟鉄と鋼の鋼材の合わせ方が似ているのです。


写真はハルコがデザインして、四国の刀鍛冶さんに依頼して造ってもらった包丁です。峰の所をもう少し山にしたかったのですが、ちょっと違いますね。
波紋といい、これは日本刀とまったく同じですが、片刃の和包丁なのです。
片刃と書きましたが、皆さんはご存知ですよね。
刃が片方に付いていて、両方に刃が付いているのは「諸刃(もろは)」と言います。
「両刃(りょうば)」という言い方もありますが、本来両刃は剣や鋸のように両方の側に刃が付いているものを指します。

ともあれ戦国時代が終焉した時点で、刀鍛冶は包丁などの道具作りになり、さらに明治維新後に廃刀令が出て、民生用に転じたのですね。
毎年1月に「世田谷ボロ市」がありますが、昔はこのボロ市で素晴らしい鍛造の包丁が随分出ていたそうです(これは、魚柄仁之助さんから聞いた話です。魚柄さんは骨董商をしていたそうです)。
何故かというと、明治維新後に刀鍛冶が仕事を無くして、世田周辺に住みはじめて包丁作りをしていた名残りなのです。そのため、世田谷ボロ市では鍛造包丁が多く売られていたそうです。

2012年11月5日月曜日

包丁3本

ブログの包丁○本は、11月8日の関市での包丁供養「いい刃」まで書く予定ですが、タイトルを付けた本人があまり面白くないなぁと思ってます。

先週の金曜日は、前日からの続きで朝の8時から夜の7時まで、ぶっ通しで包丁の撮影をしておりました。
貝印の商品開発から販促までのアドヴァイザーをしているのですが、包丁関係でもかなりお手伝いしているのです。


ハルコは外部のプロの料理人さんに貝印とのコラボ企画を持ちかけて、貝印と契約していただき、商品開発を手がけているのです。
その中の一人に、「トゥーランドット臥龍居」の脇屋友詞さんがおります。
脇屋さんには色々と協力していただき蒸し鍋なども作りましたが、やはり、一番作りたかったのは中華包丁です。
中華包丁というと、「ごつい」「重い」というイメージですが、家庭用でもっと使い易く、と考えて2本(丁)デザインしたのです。
ひとつは、中華ペティで小型で普段使いに、もうひとつは大型の中華包丁です。
しかし、大型の中華包丁は矛盾を抱えているのでした。
重い中華包丁は素人には扱いにくい包丁で、軽量化を図りましたが、本来は包丁自体の重さで素材を切るものなので、どの程度軽くするかというのが悩み所でした。

秋からのフジテレビ系の新番組で「アイアンシェフ」が始まり、脇屋さんがアイアンシェフとして登場、現在貝印は脇屋さんの包丁サポートをしております。
写真は「アイアンシェフ」第1回で脇屋さんが使ってくれたハルコデザインの中華包丁です。
本式には、同じく貝印で開発したミシェル・ブラスの中華包丁がプロユースだと思いますが、Wakiyaマークの中華包丁も良い包丁ですよ。
(続く)


2012年11月2日金曜日

包丁2本


朝から貝印で包丁の撮影をしております。
オッホン! 今日のハルコは包丁の使い方・切り方の先生です。
えっ、ハルコにそんな高度な仕事が出来るのかって?
てへ、なりゆきです。

昨日は撮影の最初に、カメラマンさんが手を切ってしまい、4針も縫うことになり、今日までずれこんでしまったのですよ。
引き続き、撮影がんばります!
(続く)

2012年11月1日木曜日

包丁1本

ブログをはじめて1年以上になりますが、包丁のことを書いた記憶がありません。
食や料理の事はほぼ毎日買いてますが、そう、包丁は書いてませんね。

包丁はハルコにとって大変重要な意味を持っています。
初めての自著が包丁の使い方の本だったせいもありますが、包丁が好きなんです。別に怪しい意味ではなく、料理に無くてはならないし、調理していても切れる包丁は料理自体も楽しくしてくれますね。
仕事をしない日があっても、旅行中を除けば、ほぼ毎日包丁のお世話になっています。

全国の刃物産業のある地域では、それぞれに包丁供養があります。岐阜県の関市では、今月の11月8日(良い刃)は包丁供養の日です。
包丁1本さらしに巻いて、修業に出たのは板前場の修行ですが、ハルコも割烹着に三角巾姿で、延べ80人以上の料理人さんの元に修行に行きました。
これから、何回か包丁修行と包丁のお話を書きたいと思っております。
今日はこれから、貝印で包丁の使い方の撮影があり、監修者の立場で出かけます。

写真は、ハルコが作った貝印の一般向けの「包丁入門 基本のキ」と、社内向けの「貝印包丁マニュアル」です。


「包丁入門 基本のキ」(写真左)と「貝印包丁マニュアル」(写真右)